予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会 第86回

議題

新型コロナワクチンに関する副反応への対応について

開催日 2022-10-11
委員名簿

第 86 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
令和4年度第 15 回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会
(合同開催)
委員・参考人一覧
持ち回り審議

【副反応検討部会】
<委員>
伊藤 澄信   順天堂大学革新的医療技術開発研究センター特任教授
倉根 一郎   国立感染症研究所名誉所員
多屋 馨子   神奈川県衛生研究所所長
長谷川 秀樹  国立感染症研究所インフルエンザ・呼吸器系ウイルス研究センター長
濱田 篤郎   東京医科大学病院渡航者医療センター特任教授
藤井 克則   国際医療福祉大学成田病院小児科教授・部長
宮川 政昭   公益社団法人日本医師会常任理事
○ 森尾 友宏   東京医科歯科大学発生発達病態学分野小児科教授
山縣 然太朗  山梨大学大学院総合研究部医学域社会医学講座教授
○:部会長

<参考人>
神谷 元    国立感染症研究所感染症疫学センター予防接種総括研究官

【安全対策調査会】
<委員>
石井 伊都子  千葉大学医学部附属病院 薬剤部長
伊藤 清美   武蔵野大学薬学部薬物動態学研究室 教授
○ 岡 明    埼玉県立小児医療センター 病院長
柿崎 暁    独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター 臨床研究部長
佐藤 薫    国立医薬品食品衛生研究所薬理部第一室長
舟越 亮寛   亀田総合病院 薬剤管理部長
○:調査会長
(敬称略、五十音順)

議事録(テキスト)

第 86 回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年
度第 15 回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調
査会(合同開催)(持ち回り審議)

議事概要

1.審議開始日
令和4年 10 月 11 日
2.議決日
令和4年 10 月 20 日
3.方法
持ち回り審議による
4.議題
新型コロナワクチンに関する副反応への対応について
5.審議結果
ファイザー社オミクロン株 BA.4-5対応ワクチン及びファイザー社ワクチン
6カ月~4歳用の接種開始に伴う副反応疑い報告基準の変更の要否につい
て、今回の委員の意見を踏まえつつ、審議を継続することとする。
6.主な意見
・ 乳幼児においては接種後、熱性けいれんが発生する可能性が考慮されるべきと考えられることから、ファイザー社ワクチン6カ月~4歳用については「けいれん」も報告基準に含まれることが適切ではないか。
・ 副反応として発熱が報告されているところ、発熱により起こる熱性けいれんの好発年齢である小児では、同症状の一定の発生が想定されるため、副反応疑い報告基準に「けいれん」を加えるのが好ましいと考える。その際、一定の年齢で好発年齢を区切るのは困難なことから、年齢を特定する必要は無いと考える。若年男性で多いとされる心筋炎でも年齢や性別を区切っていないと理解している。
・ 日本人の熱性けいれんの発生率は 5-10%で、好発年齢は6か月~5歳とされている。従来予防接種をする年代であり、接種には慣れているとはいえ、新しいワクチン接種に伴う発熱・けいれんの発生率は注目されやすい。臨床的にはオミクロン株の流行下で、当該年齢層での感染によるけいれんの発生率が上がった経験からも、今回はワクチンの議論であるものの、その動向は注目しておいた方がよいように感じる。
・ 乳幼児は熱性けいれんの好発年齢なので、この年齢のワクチンではけいれんが副反応として特に注目される。海外に比較して日本での熱性けいれんの頻度は明らかに高いので、海外治験のデータからだけで判断することには心配が残る。副反応報告として国がしっかりと調査をして、問題がないなら問題がないといった情報を提供できることが望ましいのではないか。
・ 薬理学研究の現場において、乳幼児の熱性けいれんのモデル研究などを散見している。脳の可塑性が高い乳幼児期のけいれんは、報告基準に何らか盛り込む形で注視しておいたほうがいいのではないか。年齢をどこで切るか、という点は、法令的な手続きも関連してくるということであるため、記載の工夫なども必要かと思う。
・ オミクロン株流行以降に COVID-19 に罹患した小児においては、小児特有の疾患であるクループ症候群、熱性けいれんが増加し、脳症、心筋炎などの重症例も報告されている。生後6か月~4歳は熱性けいれんの好発年齢のため、発熱の可能性があるワクチン接種を当該年齢の者に行うに当たっては、「けいれん」を副反応疑い報告基準に含めるべきであり、これにより、エビデンスに基づいた保護者説明が可能になると考える。なお、報告対象範囲とする接種からの日数については、DPT-IPV,DPT,DT:けいれん(7日)、MR:けいれん(21 日)、日本脳炎:けいれん(7日)、Hib,PCV13:けいれん(7日)を参考に、「7日」が妥当であると考える。
・ ファイザー社ワクチン6カ月~4歳用の接種後、38.9℃以上の発熱が2%を超えて見られているが、熱性けいれんを起こした場合のすべてを「けいれん」として報告対象とした場合、報告頻度が高くなりすぎるのではないかと憂慮する。また、「けいれん」の報告頻度の高さがワクチン接種忌避につながる懸念と、無害な熱性けいれんの頻度を調査することの政策的意義を十分に考慮すべきではないか。けいれんを報告対象とするのであれば、例えば、けいれん(熱性けいれんを除く)などとすべきではないか。現行でも積極的な報告を検討いただきたい症状に「けいれん」が入っているが、今までの報告頻度はどのぐらいだったのか。けいれんにより入院治療が必要になったり、身体機能障害に結びついたりする可能性があるということを一般の方に
理解してもらうという趣旨で、副反応疑い報告基準上のレベルを変えることには熟慮が必要ではないか。
・ ファイザー社ワクチン6カ月~4歳用の報告基準について、「けいれん」に関しては、「その他」の報告を積極的に検討すべき項目に入っていることから、現行案でもいいと考えるが、報告基準に入れることに反対意見があるわけではない。報告基準に入れて、小児・成人用と乳幼児用ワクチンで報告基準が異なるようになる場合は、周知を徹底し、提出書類の書式変更等わかりやすいようにお願いしたい。
・ ファイザー社オミクロン株 BA.4-5 対応ワクチンについては、既に承認されている BA.1 対応ワクチンとmRNA 以外の成分が同一であり、副反応疑い基準は BA.1 対応ワクチンで設定されている基準(今回提示のもの)で問題ないと考える。ファイザー社ワクチン6カ月~4歳用については、小児科専門の委員からの意見を踏まえる必要があり、現時点では、基準の変更の要否の判断は保留する。

議事録(PDF)

議事概要 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会

資料(PDF)

議事次第 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
委員名簿 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
資料一覧 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
資料1 新規に接種が開始される新型コロナワクチンの副反応に係る取扱いについて 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
参考資料1 新型コロナワクチンの接種について(令和4年10月7日第38回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料1)
参考資料2 新型コロナワクチン「コミナティ筋注6ヵ月~4歳用」(ファイザー株式会社)添付文書 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
参考資料3 新型コロナワクチン「コミナティ筋注6ヵ月~4歳用」(ファイザー株式会社)審査報告書 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
参考資料4 新型コロナワクチン「コミナティRTU筋注BA.4-5」(ファイザー株式会社)添付文書 第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
参考資料5 オミクロン株BA.4-5対応コミナティRTU筋注について(令和4年10月7日第38回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会資料2)第86回
参考資料6 「定期の予防接種等による副反応疑いの報告等の取扱いについて」の一部改正について(令和3年12月6日付け健発1206第84号・薬生発1206第2号厚生労働省健康局長及び医薬・生活衛生局長連名通知)
参考資料7 「定期の予防接種等による副反応疑いの報告等の取扱いについて」の一部改正について(令和4年3月18日付け健発0318第19号・薬生発0318第13号厚生労働省健康局長及び医薬・生活衛生局長連名通知)
参考資料8 新型コロナウイルス感染症に係るワクチンに関する予防接種後副反応疑い報告書の記載方法について(令和4年9月2日付け厚生労働省健康局予防接種担当参事官室及び医薬・生活衛生局医薬安全対策課連名事務連絡)

遵守事項等資料(寄附金)第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会
遵守事項等資料(申請資料関与)第86回予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会