生活衛生適正化分科会 第34回

議題

(1)浴場業、飲食店営業(めん類)の振興指針改正について
(2)その他

開催日 2019-12-10
委員名簿

市 川ま り こ (一財)日本消費者協会消費生活コンサルタント
○ 遠 藤弘 良  聖路加国際大学大学院公衆衛生学研究科長
大 出俊 彦   全国興行生活衛生同業組合連合会事務局長
大 森利 夫   全国理容生活衛生同業組合連合会理事長
片 岡佳 和   株式会社日本政策金融公庫 常務取締役
小 池広 昭   全国クリーニング生活衛生同業組合連合会会長
後 藤巻 則   早稲田大学大学院法務研究科 教授
佐 伯 雅斗   全国公衆浴場業生活衛生同業組合連合会常務理事
櫻 田あ す か  サービス・ツーリズム産業労働組合連合会副事務局長
◎ 武 井寿   早稲田大学商学学術院 教授
多 田 計 介   全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会会長
田 中 秀 樹   全国麺類生活衛生同業組合連合会理事長
内 藤由 紀 子  北里大学医療衛生学部健康科学科公衆衛生学研究室 教授
西 尾チ ヅ ル  筑波大学ビジネスサイエンス系 教授
春 田雄 一   日本労働組合総連合会経済・社会政策局長
藤 田育 美   全国地域婦人団体連絡協議会常任理事
町 田 和 之   全国氷雪販売業生活衛生同業組合連合会副理事長
松 島紀由   全国社会福祉協議会理事・事務局長
松 野玲 子   生活協同組合パルシステム東京理事長
三 村優 美 子  青山学院大学経営学部 教授
八 ッ 橋 治 郎  神奈川大学経済学部 准教授
山 本裕 子   大東文化大学法学部 教授
吉井眞 人   全日本美容業生活衛生同業組合連合会理事長
若 月 壽 子   主婦連合会社会部
 (五十音順) ◎:会長

第34回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会 委員名簿
◎は分科会長、○は分科会長代理

議事録(テキスト)

第34回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会 議事録
医薬・生活衛生局生活衛生課

日時
令和元年12月10日(火)15:00~17:00

場所
全国都市会館 第2会議室(3階)

議題
(1)浴場業、飲食店営業(めん類)の振興指針改正について
(2)その他


議事
 
議事録
2019-12-10 第34回厚生科学審議会生活衛生適正化分科会

○溝口課長補佐 それでは、定刻となりましたので、ただ今より第34回「厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙のところ、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の会議は公開ですが、撮影は議事に入るまでとさせていただきます。
また、傍聴される方につきましては、留意事項の遵守をお願いいたします。
本日の分科会ですが、市川委員、大森委員、多田委員、山本委員、松島委員から欠席の旨連絡をいただいております。
委員総数24名中19名の委員の出席をいただいておりますので、厚生科学審議会令第7条第1項の規定により、本日の会議が成立したことを報告いたします。
撮影につきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
この後の進行は武井会長にお願いしたいと思います。
○武井分科会長 それでは、本日の議事に入りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
初めに、事務局より資料の確認をお願いいたします。
○溝口課長補佐 事務局でございます。
お手元の資料の確認をさせていただきます。次第がありまして、 資料1 2019年度生活衛生関係営業振興指針の改正について 資料2 浴場業の振興指針 新旧対照表(素案) 資料3 浴場業の現況について
資料4 飲食店営業(めん類)の振興指針 新旧対照表(素案) 資料5 飲食店営業(めん類)の現況について
参考資料としまして、関係法令等、参考資料1から4をつけてございます。
過不足等ございましたら、事務局の方にお申しつけください。
なお、前回の分科会で配付しました委員名簿のうち、春田委員の役職名を「日本労働組合総連合会社会政策局長」と記載しておりましたが、正しくは「日本労働組合総連合会経済・社会政策局長」ですので、訂正させていただきます。大変申し訳ありませんでした。
以上でございます。
○武井分科会長 ありがとうございました。
それでは早速、議事次第2「(1)浴場業、飲食店営業(めん類)の振興指針改正について」に入りたいと思います。
まずは資料につきまして事務局より説明をお願いいたします。
○溝口課長補佐 事務局より引き続きさせていただきます。緑の横になっている資料1
「2019年度生活衛生関係営業振興指針の改正について」をご覧下さい。この資料につきましては、前回の分科会でも似たようなフォームで説明させていただいておりますが、このうち3と4、浴場業と飲食店営業のめん類の箇所を変更したもので、あとは同じです。
欠席の先生もいらっしゃいましたので、簡単に説明させていただきます。
まず、振興指針の改正です。本指針につきましては、生活衛生関係の振興を計画的に推進し、公衆衛生の向上及び利益の増進に資することを目的に策定してございます。
指針の改正につきましては分科会に諮り、審議会の意見を聴いた上で、大臣が指定する形にことになっております。現在、生活衛生関係では16業種、13の指針が示されてございます。
1ページ目下段、2019年度振興指針の改正について、昨年度の第30回分科会におきまして、振興指針の改正の時期と振興指針の見直しが整理されております。それに基づき今年度は興行場営業と旅館業、浴場業、飲食店営業、めん類の4指針を改正するものです。 主な改正項目は以下のとおりでして、前回の改正の項目から以下の内容を主に修正・追加を加え、他業種の振興指針の改正と整合した内容でお示ししてございます。
第三の振興指針の目的に関する事項。省エネの内容、あるいは訪日・在留外国人への配慮、受動喫煙、食品表示に関する対応に関すること。
第四、振興の目的を達成するために必要な事項としまして、経営課題に即した相談支援の内容とか、あるいは食品関連情報の提供や行政施策の推進に関する事項などを追記してございます。
第五のところ、営業の振興に際し配慮すべき事項としまして、食育や食の安全への関心の高まりの内容や、今回俎上に上がります浴場業の指針に関しては、「浴育」に関する対応についての記述を新たに書いております。
また、災害関連につきましては、東日本大震災への対応からリニューアルしまして、災害への対応と節電行動の徹底の取り組みの記述内容の変更。また、新たに最低賃金の引き上げに向けた対応や、働き方・休み方改革を記してございます。
2ページ目のところが昨年度整理いただきました振興指針の見直しでございまして、主に5項目あり、青いところが新たに書き加えた内容でございます。第三のところの(3)から(6)、第四のところで青にしてあるところが整理された内容。右のところの第五の営業指針に際し配慮すべき事項というところで、六から八について新たに書き加えることになっております。
3ページ目以降、簡単に説明させていただきます。浴場業指針の主な改正につきまして、浴場業を取り巻く環境としましては、29年度の公衆衛生浴場数2万5121施設で、施設数の減。また、一般浴場の数も減少傾向になっております。
その他、1世帯当たりの支出についても微減というところ。
経営上の問題としましては、客室数の減少、施設・設備の老朽化、燃料費の上昇などが挙げられてございます。
今後の経営方針としましては、接客サービスの充実、施設・整備の改装、集客イベントの実施などが挙げられてございます。
第二につきましては、次回1月8日にまとめた形で説明させていただきたいと思います。 第三、浴場業の振興の目標に関する事項につきまして。衛生関係への対応としましては、新型インフルエンザへの対応、レジオネラ症の防止などの実施。
高齢者、障害者、子育て世帯等への配慮としまして、シニア向けサービスや地域密着を生かしたきめ細かなサービスの提供、合理的配慮やバリアフリー、人工肛門等身体障害者への配慮の記述。
訪日・在留外国人への配慮としまして、外国人旅行者、在留外国人に対する表記などの充実の追記。受動喫煙対策への対応に関すること。
⑤と⑥につきましては、税制及び融資の支援措置としまして、日本政策金融公庫による融資内容の紹介。関係者、国、都道府県、都道府県指導センター等に期待される役割としまして、各種申請、研修会、融資相談などの未加入者に対する情報提供や制度の活性化などを書いてございます。
第四のところは同じような形で、営業者の取り組みとしまして、施設整備の管理徹底、経営戦略の明確化、経営手法、熟練技術の効率的な伝承、省エネ、生産性向上セミナーへの活用などを書いております。
第五、営業の振興に際し配慮すべき事項としまして、「浴育」という話が新たに入ってございます。①国民の健康づくりや子供たちの心身の教育を促す「浴育」を推進するとともに、日本の伝統的生活習慣の体験と社会や地域コミュニティ形成の側面から「浴育」を推進するという記述。
その他、少子高齢化への対応としまして、高齢者、障害者、子供連れなどに配慮した店舗づくりや働きやすい環境の整備。
受動喫煙に関する内容。災害対応及び節電対応としまして、災害対応能力の向上、地域の防災訓練、被災者支援などを書いてございます。
⑤と⑥につきましては、新たな記述として、最低賃金の引き上げを踏まえた対応、最低賃金の遵守や業務改善助成金などの制度の活用、セミナー等の開催と参加促進などを書いてございます。
働き方改革につきましては、営業者の役割として、長時間労働の是正や年休の取得促進、待遇の改善などを書いてございます。後ほど説明させていただく新旧対照表の中に簡単な内容を書いたものがこの資料になります。
続きまして、4ページでございます。これも重なるところが多いのですが、めん類に関してです。第一、飲食店営業を取り巻く環境としまして、28年の事業所数としましては、事業所数、従業員数ともに減少。一方、売り上げ自体は増加という内容になっております。
30年の1世帯当たりの外食の支出については、うどん・そばに限らず全体の外食ですけれども、増加傾向にあり、そば・うどんもトータルでは増加となってございます。
経営上の問題としましては、材料費の上昇、客数の減、施設・設備の老朽化、人手不足・求人難など。
経営方針としましては、食事メニューの工夫、価格の見直し、接客サービスの充実などが挙げられてございます。
第三のところです。衛生問題への対応としまして、食品衛生法の改正に伴いHACCPが義務化されることになりまして、その考えを取り入れた営業による衛生管理の確実な実施の追記。
②につきましては、買い物弱者層などに対する地域密着の強みを生かしたサービスの提供やバリアフリーなどの取り組みの追記になります。
③飲食業というところでございまして、外国人に対するキャッシュレス決済の導入、宗教や風習に配慮した食事・サービスの提供などを書いてございます。
④から⑥は同じ記述になります。
第四につきましては、営業の取り組みとしまして、HACCPに沿った衛生管理の徹底や経営戦略の明確化などを書いてございます。
第五につきましては、少子高齢化への対応として、これらに配慮した店舗づくりや子育て世帯・共稼ぎ世帯が働きやすい職場環境の整備。
受動喫煙に関すること。
災害への取り組み。
最低賃金。
休み方・働き方改革の内容は浴場業と同じでございます。
5ページ、6ページ目は今後のスケジュールを示したものでございます。前回は11月27 日に開催しまして、今日は12月10日ということで、浴場業とめん類を調査・審議していただき、翌1月8日に前回の御意見と今回いただきます御意見を合わせた形で4つの内容を修正したものをお示しし、1月8日に調査・審議を改めていただきます。
その後、1月中旬から2月上旬にかけて告示改正の形で、厚労省の方で作業・準備をさせていただき、2月中旬に告示の流れになっております。
今後のスケジュールにつきまして、振興指針の改正のスケジュールで業種毎の見直しは5年に1回ということで昨年度整理した内容でして、赤い点々のところが今回対象となる改正になります。整理後2年目を迎えまして、飲食に関しては21~22年ということで、5年よりも早く来ますけれども、それ以外の旅館、浴場、興行場は、5年後の2024年度に改正の予定でございます。
6ページ目は関連した法律になります。
以上でございます。
○武井分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、資料1につきまして御意見や御質問をお願いしたいと思います。御発言のときには挙手をしていただいて、私が指名をしてから発言をしていただくように御協力のほどお願いいたします。それでは、御意見、御質問等よろしくお願いいたします。どうぞ。 ○若月委員 主婦連合会の若月です。
大変基本的な質問で恐縮ですけれども、飲食店営業の中でわざわざめん類だけに限定してあるのはどうしてなのでしょうか。何か違うことがあるのか。区別があるのでしょうか。
○比嘉課長補佐 済みません。これは生衛業で、業種が17~18に分かれているのですが、その中にめん類というくくりがあるのです。これは食品衛生法の施行規則でも飲食店営業の中のくくりで、そば屋さんとかそういう分け方が過去からしてありましたので、その流れでめん類という形で生衛業として整理されてきているところでございます。
○武井分科会長 よろしゅうございましょうか。
○若月委員 はい。
○武井分科会長 ほかにいかがでしょうか。
それでは、内容に入るように進んでよろしゅうございましょうか。
(首肯する委員あり)
○武井分科会長 続きまして、振興指針の改正のうち浴場業の審議に入りたいと思います。これにつきまして、資料2と資料3がかかわってまいりますので、これについて説明をいただいた後に、あわせて審議に入りたいと思います。
それでは、資料2から事務局より説明をお願いいたします。
○溝口課長補佐 引き続き事務局より御説明をさせていただきます。
資料2、浴場業の振興指針に関する新旧対照表の素案でございます。右が今の指針、左が今回お諮りさせていただいく内容になります。
1ページ目の第一、浴場業を取り巻く環境です。これは先ほど説明させていただいたのですが、施設数については5年前に比べて減少傾向であるというところでございます。
2ページ目、営業者が抱える経営上の問題としまして、「客数の減少」と答えられたのが69.2%。これは前回もお話ししましたが、5年前の改正との見比べができないということで、ここも新しく「前回指針では」という形で工夫をさせていただいております。前回の指針では77.4%から69.2%。「施設・設備の老朽化」が57.1%から68.0%。「燃料費の上昇」が63.5から37.0%。一方、似たような内容になりますが、「光熱費の上昇」が33.7%で続いてございます。
また、日本政策金融公庫も御協力をいただきまして、同じく浴場業の経営上の問題としていただきました内容として、「店舗施設の狭隘・老朽化」が62%、「顧客数の減少」が 55.6%。「仕入価格・人件費等の上昇」について、なかなか価格に転嫁することは難しいというのが25%となってございます。
3ページ目の消費動向です。三、営業者の考える今後の経営方針としましては、「接客サービスの充実」が24.6%から30.5%。「施設設備の改装」が23.4から29%。「集客のためのイベント」が20.2%から23.5%。「広告・宣伝等の強化」や「サービスデー等の工夫」というのが経営方針、数字として挙がっております。
第二の前期の振興計画の実施です。これは次回1月8日の分科会でデータとして示したものを説明させていただければと思います。
6ページの浴場業の振興の目標に関する事項というところで、主に新しく加えさせていただいた箇所を中心にお話しさせていただきます。
7ページのところ、もう既に御対応いただいておりますが、ユニバーサルデザインやバリアフリーへの対応の他に、オストメイトや入浴着を着用した乳がん患者への配慮というのを引き続き追記させております。
9ページの地域コミュニティの核としての機能の発揮ということで、これも前回と同様に引き継いだ形です。
10ページの2行目「また」以降のところで、「公衆浴場を利用したことのない子どもが多い中、体験入浴又は親子ふれあい入浴などの機会」という形で、「浴育」に関する記述が少し書いてあるのですけれども、これは後ほど第五のところでより明記する形で書いてございます。
10ページの(3)高齢者、障害者及び子育て世帯等への配慮につきましては、以下のとおり新たに加えさせていただいてございます。
(4)省エネルギーへの対応としまして、節電などの省エネルギーによる経営の合理化やコスト削減、地球環境保全、LED照明装置などの記述について新たに書き加えてございます。
11ページの(5)訪日・在留外国人への配慮としまして、インバウンドなどの影響も受けて、在日の外国人、在留外国人の方が増えているという内容を新たに追記させていただいております。
12ページの(6)受動喫煙対策の対応としまして、受動喫煙は従業員あるいはお客様や利用者の方も含めて、悪影響を与えることが科学的に明らかにされていることを明記させていただくとともに、健康増進の観点から、対策の強化を図るための実効性を新たに書き加えてございます。
12ページの3、税制及び融資の支援措置というところで、これも公庫に対する御紹介の内容を前回と同様に書いてございます。特に一般公衆浴場については、日本公庫生活衛生資金の中でも最も優遇された金利がありますので、その積極的な活用が期待されると書いてございます。
三、関係機関に期待される役割としては、「組合には、地域の実情に応じ、適切な振興計画を策定することが求められる」ということを新たに書き加えさせております。
14ページ、都道府県等、指導センター及び日本公庫に期待される役割としまして、営業許可申請や各種申請や届出、研修会、融資相談などの機会を捉えて、組合未加入の営業者に対して情報提供を行うことや、組合活動の活性化のための取り組みについて積極的に行うことが期待されるというのを新たに追加させていただいております。
15ページからは第四の項目です。主に書き加えたところとしまして、17ページの(1)の「オ 施設のコンセプト及び経営戦略の明確化」で、これはほかの業種との並びでございますが、こういう形で記してございます。
18ページの⑯⑰というところです。これも他の事業と同様ですが、「経営手法・熟練技術の効率的な伝承」や「外国語表示の推進」を新たに書き加えてございます。
19ページも同じような形ですが、施設及び設備の改善並びに業務改善というところで、エからカについて、省エネの対応、節電に関する対応、生産性向上に向けたセミナーへの参加や業務改善助成金の活用などを書いてございます。
21ページは、人材育成及び自己啓発の推進に関する事項としまして、以下、自己啓発を促すとともに、後継者及び従業員の人材育成に努めることが望まれるというのを新たに書き加えてございます。
21ページ、二、営業者に対する支援に関する事項としまして、「また」以降ですが、関係機関等が作成する、営業者の経営改善に役立つ手引や好事例集等の効果的な活用、生産性向上に関するセミナーへの参加の促進などが書いてございます。
22ページ、サービス、店舗及び設備並びに業務の効率化というところで、ICTの活用に係るサポート等を書き加えてございます。
下段になりますが、「関係機関との連携の下での、創業や事業承継における助言・相談の取り組みの推進」というところを新たに書き加えてございます。
23ページの(5)経営課題に即した相談支援に関する事項ということで、経営課題に関して、経営特別相談員による経営指導の周知に努めること、制度の趣旨や活用方法の周知への期待などを書いてございます。
24ページ(10)、先ほどと同じような内容ですが、事業の承継及び後継者育成支援に関する事項としまして、各地域にある事業承継に関する相談機関及び最新の関連税制に関する支援体制の整備などを新たに書き加えてございます。
26ページ、第五の項目としまして、これも新たに整理され、書き加えたものがございます。その中で、一、「浴育」への対応としまして、今回明記するような形で調整をさせていただいております。「浴育」への対応ということで、「営業者は利用者の健康づくりのためのみならず、子どもの教育や心身の成長に寄与するための『浴育』に積極的に取り組むため、以下に掲げる事項に積極的に取り組むことが期待される。また、『浴育』は、幼児期から日本固有の伝統的生活習慣である浴場を体験することで社会の仕組みや理解度を高めるとともに、社会や地域のコミュニティ形成の一助となるものである」というのを前段で書いてございます。
その他、他の指針と同じような内容でして、27ページ、少子高齢化への対応としまして、受動喫煙の防止、障害者差別解消法に基づく合理的配慮や、働きやすい職場環境の整備、高齢者、障害者、妊産婦及び子供連れの方が利用しやすい環境の整備や制度の活用などを書いてございます。
29ページでございます。これも新たに充実して書き加えた内容でございます。受動喫煙に関する内容になっております。 30ページは、六、災害への対応と節電行動の徹底ということで、前回まで東日本大震災の内容を書いておりましたが、その内容として、災害対応能力の向上や防災訓練などの記述を新たに加えてございます。
31ページの(6)被災者への支援及び地域コミュニティの復元などを書いてございます。
32ページ、最低賃金の引き上げを踏まえた対応としまして、最低賃金の遵守や制度の活用、セミナーの参加などを書いてございます。
最後、働き方・休み方改革に向けた対応としまして、長時間労働の是正や年休取得、相談窓口や関係機関が開催するセミナーの周知などを書いてございます。ここら辺は他の振興指針と同じような書きぶりでございます。
長くなりましたが、以上でございます。
○武井分科会長 どうもありがとうございました。
溝口課長補佐より資料2について御説明いただきました。
続きまして、資料3につきまして、常務理事の佐伯委員より御説明をお願いいたします。
○佐伯委員 浴場の佐伯でございます。よろしくお願いいたします。
では、浴場業の現況について御説明をさせていただきます。業界の経営資源の強みとしましては、私どものほうでは銭湯のサポーターというものを広く募集しているのですが、その人数も5,600名を超えまして、私どもが頼むことなく、SNS等で広くいろんな情報を皆さんが積極的に世の中に広めていってくれている。その際に日本の伝統文化であるというもの、地域に密着しているものであるということ、また、健康のためにいいということも広く伝えていってくださっているということがまず大きな強みとなっています。
また、災害時の被災者支援。それのみならず、日常的に高齢者や子どもたちの見守りというものに対しては積極的に協力をさせていただいておりますので、そういったことが地域に広く認められて、地域貢献には随分役に立っているのではないかというのが大変な強みになっています。
ただ、業界の経営資源の弱みというものはもちろんございます。経営者の高齢化ですとか、施設の老朽化に伴って、新規開業がほとんどないにもかかわらず、転廃業というものに歯どめがきかないということで、全国で昨年2,350軒あったものが、ことしは6%減、 2,200軒ということで、全く減っていくものに歯どめがきいていないという現状でございます。
業界を取り巻く環境といたしまして、よい状況から御説明をさせていただければ、訪日の外国人の利用者がだんだんふえてきているということ。また、若者の間で、今ですとサウナブームといったものもありまして、若者の利用もふえてきている。また、銭湯というのは、体を洗うための施設ではなくて、心も健康になる施設であるという評価が高まってきているということが挙げられるかと思います。
業界を取り巻く環境の中でも悪い状況もございます。もちろん、利用者の減少によって、入浴料金収入が減少していくということ。収入が減少していくことによって、なかなか家業を継いでいく者が少なくなっていくということや、家族経営が多い中、家の中でも家族全員ではできないということで、どうしても個人の負担が長くなっていて、長時間労働が目立ってきているというところ。また、利用客も、地域によるのですが、固定の高齢の方が多いところになりますと、その方がさらに高齢になってきたときに足を運ぶことがなくなってきますので、そういうところに頼っている店舗が多いというところも問題になっています。
めくっていただいて、組合で策定する振興計画の作成に当たっての状況把握でございます。私どもは全国で39組合ございますが、10軒未満のところが8組合もございますので、どうしてもそういうところは実施報告書などの書類作成、その他、既に困難であるという状況から大変苦戦をしているところでございます。
組合への支援事業の取組状況ということで、私どもは、外国人が増加しているということを受けまして、おもてなしステッカーですとか、マナーポスター、そういったものを広く配布をしているところでございます。
また、健康増進の入浴法ということで、研修会等を開かせていただいて、各店舗にもそういった入浴法の冊子ですとかコミック、そういうものをお配りして広くPRをしているところでございます。
また、子供のときからしっかりと銭湯というものに触れ合っていただこうということで、体験入浴の普及事業には大変力を入れております。
受動喫煙の防止は最も力を入れているところでございまして、東京都では100%の禁煙化をしましたけれども、大都市圏で言いますと、大阪でも昨年4月1日より取り組みを始めまして、100%の禁煙を目指しているところでございます。
また、大規模災害時の住民支援としては、昨今続いております熊本、大阪、西日本、そういったところで無料入浴実施等で地域貢献をさせていただき、さらに今後起こる災害にしっかりと対応していこうということで、災害時のマニュアル等も作成、配布をいたしたところでございます。
特に成果の上がった事業として実感しているものについては、外国人が本当に増加を続けているということ。また、HSP(ヒートショックプロテイン)入浴法ですとか、季節に合わせた健康増進の入浴法等を広く知らしめているとともに、幸福度というものにかかわりがあるのだということを広く科学的に実証したものをホームページ等で積極的に公開をさせていただいております。
取り組みが難しい事業としまして、私どもの施設は、とにかく建物あっての商売ということで、どうしても大規模な修繕が必要ということで、それを機会に廃業してしまう者が多いというのが最も難しいところだと考えています。
こちらには記載がないのですけれども、昨今のキャッシュレス決済というものに対して広く推進をしているところですが、私どもはどうしても小さな商いですので、手数料というものに関してはかなり敏感になっておりまして、今の手数料を払い切れない店舗が多いということで、なかなか導入率が上がっていかないという現状がございます。特に売り上げの小さなお店ほど導入が進まないという問題がございます。
そういったことを考えますと、改善の方策として、国が推進しているものである以上で、そういったものが広く普及している国並みの手数料にしていただくような方策、補助策、そういったものがあれば幾らかでも推進をしていけるのかなと考えています。
以上でございます。
○武井分科会長 どうもありがとうございました。
それでは、資料2及び資料3について御意見や御質問がありましたら、よろしくお願いいたします。三村委員、よろしくお願いいたします。
○三村委員 御説明ありがとうございました。
1つお伺いしたいのは、改正案の2ページ、問題点というところの中で、「燃料費の上昇」が前回63.5だったのが37.0。「光熱費」が前回49.6、今回33.7ということで、エネルギー関係は問題としてある意味で緩和されたと見ていいのかどうか。これが1つです。 それと関係いたしまして、施設の老朽化は大変大きな問題だと思いますし、鶏が先か、卵が先かということだと思うのですが、お客さんをふやすほうが先という見方と、しかし、設備が新しくないとお客さんもなかなかいらっしゃらない。設備がよくなると少し流れが変わってくるというのがあるのですけれども、組合としては取り組みにくいということは大変わかるのですが、それについて、こういう対策があれば少し流れが変わるかもしれないということはありますでしょうか。最近、非常に設備のいいお風呂屋さんも出てきて、大変人気だという話も伺っております。
以上です。
○佐伯委員 ありがとうございます。
燃料費については一軒一軒使っているものが違ったりして、一概には言えないのですが、ガスの値段等が安定をしていないというのは一つ大きな問題だなと思っています。もともと季節で使う燃料の量が全く違いますので、夏と冬の燃料費の差がどんどん広がってきているという問題は一つありまして、そういったところは、月を押しなべて、年を押しなべて払えるような状況になっていただけると、燃料費は助かるのかなと。
ただ、電気代については、LEDの推進ということで、かなりLED化が進んでおりますので、電気代に関してはそういった面でかなり低くなってきているのかなと思っています。ただ、
LEDを導入したときの費用負担というものがございますので、そういったところでまだLED に踏み切れない店舗が残っているのも事実でございます。
また、施設を新しくしたほうがお客様が来るというのは間違いないところなのですけれども、ちょっとかかり過ぎるというところがありまして、先に施設を直しても、来るかどうかわからない状態で高齢の方が大きな借金をしてというところになかなか踏み切れないというところがありますので、どちらかというと少しお客様の底上げをして、ある程度の収入が見込めて、直していくのが最善かなと考えておりますので、組合としては少しでもお客様がふえる施策として、各店舗を回っていただくスタンプラリーのような手法でお客様に広く銭湯に回っていただくということもしているのですが、どうしても近いところに行きやすい施設でございますので、一軒一軒が自分のところを少しでもお客様が来やすい施設にしていっていただくという意識改革も大変重要なのかなと思っているところでございます。
○武井分科会長 どうもありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。お願いいたします。
○西尾委員 ありがとうございました。筑波大学の西尾と申します。
最初にお伺いしたいのは、組合の加入率はどのぐらいなのでしょうか。
○佐伯委員 組合加入率は大変高くて、ほぼ99%の加入率でございます。
○西尾委員 なるほど。そこをちょっと心配しておりました。例えば資料3のところに「自治体や第3セクター等が運営する温浴施設等との競合問題」とあるのですが、この温浴施設も組合のメンバーになるのですか。
○佐伯委員 いや、基本的には銭湯と言われる一般公衆浴場というものだけが組合員でございます。その他の公衆浴場に関するものは組合員にはなっておりません。値段が、今、東京都ですと470円で営業している店舗が組合員の対象となっております。
○西尾委員 なるほど。ただ、消費者側からすると、銭湯とそうではないところというのも求めるものが。銭湯も最近、サービスが進んでいて、非常に楽しいところが多いので、消費者側からするとその区別がつかなくてということがあると思うのですけれども、市場規模としては銭湯さんとそれ以外のその他の比率と言うと、何対何ぐらいなのですか。
○佐伯委員 比率と言うと、数値として今、何%ということはないのですが、ただ、比較的お客様がバッティングしているということは、そういった温浴施設とはないのではないかなと考えています。私どもの店舗というのは、住宅街でありますとか、駅前でありますとか、そういった大型のものがないところのほうが多うございますし、商圏が大変狭い商売ですので、お車で来るお客様を集められるスーパー銭湯さんのようなところとお客様がバッティングしているというところも余りなくて、スーパー銭湯さんができたのでお客さんが少なったという感じよりは、自分のところのお風呂に魅力がだんだんなくなってきているというほうが大きな問題なのではないかなと考えています。
○西尾委員 わかりました。ありがとうございます。
もう一点だけ。そうすると、基本的にはこの浴場業、振興指針等々をきちっとつくっていたとしても、今、98%ぐらいの組合加入率ということであれば、組合員さんにはきちっとこういうものが徹底できるような形の仕組みができているのだなということで、ほっといたしましたが、一方で、これは浴場業組合さんとはちょっと違うことかもしれませんけれども、その他の浴場関係、類似の温浴、温泉施設に関しても、ここに書かれているようないい取り組み、例えば禁煙であるとか、外国人に対するきちっとした対応であるとか、浴育であるとか、お年寄りに対する対応というものが届けばいいなと思って。これはどちらかというと厚労省さん向けのお願いかもしれませんけれども、そんなところが、せっかくいい指針ができたとしても、それ以外のところにもいい形で波及できると、消費者や社会にとってよりこの意義が高まっていくかなと思いました。
最後のは意見でございます。
○武井分科会長 どうもありがとうございました。
遠藤先生。
○遠藤会長代理 聖路加国際大学の遠藤です。
2点質問があります。1点目は、「健康入浴推進員の養成」となっているのですが、前回改正のときに伺ったかもしれないのですが、忘れてしまったので教えていただきたいのです。これは、ここの指針に書いてあります研修会等を受講した人が組合として健康入浴推進員を任命するといいますか、そういう制度でしょうか。
○佐伯委員 そうでございます。出席していただいて、健康増進に関する最新の情報ですとか、そういったものを皆さんで共有していただいて、その方が地元に戻って他の出席をなされなかった方々にも広めていくという形で、皆さんに同じ情報が行き届くようにという形で進めさせていただいています。
○遠藤会長代理 今、ちなみに何人ぐらい。
○佐伯委員 毎年開いているもので、必ず同じ人間が来ているわけではないので、かなりの人数の者がこの健康推進の講習を受けているので、延べ人数というのが毎年わからないのですが、かなりの人数が受けているところでございます。
○遠藤会長代理 ありがとうございました。
2点目は個人的な関心になるのですが、先ほど来外国人の利用者の方がふえてきたということですが、現状を教えていただきたいのです。タトゥーの問題ですね。とりわけ今回のラグビーでも選手がかなりしていますし、日本以外の欧米ではタトゥーに対する物の見方が違いますね。ここの指針の中にもその辺を微妙に書いてあります。「それぞれの国の文化や風習に配慮することが求められる」。この辺ははっきりと書きにくいので、こういう表現にされているのだと思いますが、現状どういう対応をされているのでしょうか。
○佐伯委員 基本的に浴場組合のスタンスとしては受け入れていただきたいということで、皆様にはお願いをしているところでございます。ただ、中にはお断りをさせていただいている地域もございます。それは近くに入浴にそぐわないグループの皆さんがいらっしゃるところ。また、以前トラブルがあったところ。本当に大きなトラブルがあった店舗もございますので、そういったところはお断りをさせていただいているところでございます。 また、私どもが受け入れたいと思っていても、地域の方からの苦情が大変多いというのも事実でございます。そういった方が入っているところでは落ちついて入れないという意見を店主がたくさんいただく店舗に関しては、私どももそれを商いとしておりますので、幾らタトゥーは全て認めるべきだという風潮があっても、地域の皆さんが認めていない現状ですと、店主だけが認めると言ったところでなかなか成り立たないというところで、タトゥーというのはどういうものなのかというのを国を挙げてきっちりと。その辺を一般の消費者の皆さんに御理解をいただかないと、私どもだけでは何とも解決していけない問題なのかなと思っています。
○遠藤会長代理 ありがとうございました。
○武井分科会長 ほかにいかがでしょうか。お願いいたします。
○春田委員 ご説明ありがとうございました。
キャッシュレス決済の関係で、「手数料が高い」という話がありました。政府によるポイント還元の関係で、これからキャッシュレス時代が来るのかなと思っていますが、私も東京でよく銭湯へ行きます。470円の料金で、キャッシュレス決済になった時に、手数料がどれほどで、どれぐらいの手数料だったら経営が成り立つものなのでしょうか。その辺の現状を少し教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○佐伯委員 現在、政府が言っていますのは3.24%ぐらいですね。そうしますと、十数円になるのですけれども、私どもは何年もかけてやっと10円価格が上がるというところで、やっと10円上げていただいたところなのですが、キャッシュレス決済にすれば、それ以上の金額が失われてしまうということで、この数年間ずっと上がらなかったものがまたもとに戻るということです。ただ、これが無料になるとは思っていないのですね。一般的に普及が進んでおります国ですと、1%程度が順当なところだと聞いております。ですから、私どもも1%ぐらいまでは下がってくれれば普及が進むのかなと。
本当に売り上げのあるところはキャッシュレス化も進んでいるのです。売り上げのない店舗のほうがどうしても進まない。やっと上げていただいたものをその手数料に支払うのはいかにもというところなので、それは政府に本当にお願いしていくしかないのですけれども、生衛業全体でも一緒に考えていかなければいけない問題なのかなと思います。
○春田委員 分かりました。
○武井分科会長 そのほかいかがでしょうか。お願いいたします。
○若月委員 私、この資料の中で初めて「浴育」という言葉を知りました。「食育」というのは、今はよく言われているのですけれども、「浴育」はいつごろから言われ始めた言葉なのでしょうか。それをぐっとどこかで推進していらっしゃるのか。でも、初めて聞いたぐらいだから、世の中にはまだ余り出ていないのかなと思ったのですけれども。
○佐伯委員 私どもとしては「浴育」というのはかなり以前から。特に近隣の小学校ですとか幼稚園、保育園などでは入浴体験を古くからやっているもので、私のところにもお泊まり保育のときに入浴に来ていただくということで、「浴育」という言葉をそのとき使っていたかどうかはあれなのですが、小さいときに入浴のマナーを教えていくという取り組みはかなり古くからやっていたのですが、言葉としてはここ数年「浴育」という言葉を私どもも積極的に使わせていただいて、広めていっているところでございます。
○若月委員 わかりました。
○武井分科会長 課長さん、「浴育」で補足していただければ。
○溝口課長補佐 いつからかというのは分からないのですが、あと、法律上に明記されたものでもないのですが、食育に関しても、元々はスローフードなどの話の中で出てきて、少しずつ世の中に認識されて、法律になり食育基本法ができたというのがございます。
「浴育」に関しては、前回の資料1にお戻りいただきまして、経緯まではわからないのですが、2ページ目の第五の振興計画事項の「一 食育、食の安全の関心の高まり及び健康志向等への対応」というところで、飲食に関しては食育、食の安全の内容、その中で浴場業というところで「『浴育』とする」ということで、ここで「浴育」を書き込んでいこうという形で決まったのであろうかと思います。
その中で、今、佐伯委員からいただきましたが、概念的なイメージなのかなというところです。例えば今は1人でお風呂に入る機会の方が圧倒的に多いとか、子供ですら1人でお風呂に入る機会が多い中で、銭湯でいわゆる裸のつき合いを経験するとか、人と人とのきずなを強めるとか、あるいは地域や職場や世代に関係なく一緒にお風呂に入るということで、コミュニケーション能力をつけたりいろんな垣根を小さくする、同じ時間を共有することで地域社会のコミュニティがと育まれていくとか、そういうイメージなのかなと思っております。
今回、第五を新たに文章として明記させていただく際、全浴連とも相談をしながら作成したのですがけれども、文面としてはやや堅い文面にはなっていますが、情操を育む的な表現、先生方もひらめきとかアイデアがありましたら、1月8日までに、是非コメントいただければと思います。
○武井分科会長 若月さん、よろしゅうございますか。
○若月委員 はい。
○武井分科会長 それでは、お願いいたします。
○松野委員 パルシステム東京という生協の役員をしております松野と申します。
銭湯は、私もこの近くの皇居を走るときに使わせていただいていて、本当にすごい工夫なさっているなと感じていますし、地域でもお父さんたちがまとめて連れていったり、そういう試み、入りやすいようにしてくださって、いいなと思っております。
質問が2点あります。そもそものことですけれども、公衆浴場業生活衛生、この組合さんに入っていらっしゃるのはいわゆる銭湯さんだけということで、今回の指針の対象になるのはそこだけなのでしょうか。もっと広い範囲のところも対象になると考えて意見を申し上げればいいかという、まず基本的なところを教えていただきたい。
あと、「浴育」なのですが、私もちょっと気になったので調べてみたら、東京ガスさんで登録商標をとっていらっしゃると書いてあったのですけれども、そちらと同じ定義で行くのか。そうでないのだったら、それこそ新しく考えたほうがいいのかなと思ってきたところです。なので、そちらについても御検討いただければと思います。
○武井分科会長 お願いいたします。
○溝口課長補佐 1点目の質問ですけれども、この振興計画というのは、基本的には組合限定になります。
2点目ですが、「浴育」の定義のお話ですね。
○松野委員 はい。
○溝口課長補佐 冒頭にお話ししたとおり、法律に載っている内容ではないので、まだ何となくの概念ではあるのですけれども。ではない。
○松野委員 言葉として登録商標されているので、使うときは断ってくださいと書いてあるので、使う場合はちゃんとそことすり合わせが要りますし、もしその概念が違うのであれば、本当に新しい言葉でないとまずいのではないかなと思ったところです。
○溝口課長補佐 理解不足ですみませんでした。
そのように東京ガスとも調整させていただき、表現とか、あるいは登録商標されているものであれば、許諾権とかにも気をつけながら調整したいと思います。
○武井分科会長 佐伯さん、お願いします。
○佐伯委員 組合員としても東京ガスさんとはふだんから綿密にやりとりをさせていただいているところでございますし、また、新しいエネルギー媒体、ガスに移転をしていくということを東京都は積極的に進めておる関係で、東京ガスさんとは事業の展開までもしっかりと話し合っている関係ですので、基本的にはそこは問題なく進めていけるかなと思います。
○武井分科会長 もう少し時間がありますが、浴場業についていかがでしょうか。何か御質問があれば。お願いいたします。
○三村委員 災害のところの対応策で以前、これも東京都のであったような感じを受けるのですが、地震対策で耐震補強が必要であるというような話をちょっと伺ったことがあります。ここの場合、30ページ、被災された方への支援とかいろんなことをやっていらっしゃるのですが、浴場自身が被害を受けられる可能性もあるし、それから停電とか水道が断水するとか、いろんな話があると思うのですけれども、そういったことについて、例えば組合ではどのようなことをお考えなのでしょうか。
○佐伯委員 ありがとうございます。
耐震については、強制的に耐震工事をこちらからさせるということはできないのですが、かなりの店舗が耐震の工事を終えているところでございます。ただ、煙突等に関しては、耐震の補強をしても、さらにそれを上回る災害があったりしますので、そこは頭を悩めているところではございますが、組合員は全体的な耐震意識は大変高くて、特に東京都においては耐震はかなり進んでおりまして、また、おっしゃられるとおり、結局、水が来ない、電気が来ない、ガスが来ない、インフラがしっかり来ないと営業もできないではないかというところで、地域によっては自治体と組んで発電機等を考えさせていただいている地域もございます。
せっかく井戸があっても電気がないと井戸水も上がってきませんので、被災したときの復旧は、なかなか優先にということはできないのですが、ガスの復旧はなるべく施設に早くしていただけるような施策ができたら、しっかりとした貢献ができるのではないかなということで、常日ごろから話し合いを持っているところでございます。
○三村委員 わかりました。ありがとうございます。
○武井分科会長 お願いいたします。
○藤田委員 東京だったら東京ガスなのですけれども、田舎の浴場はA重油とかプロパンとか、特に今は都市ガスでなくて、プロパンを見直そうというふうになっているのですが、協会としてはどうですか。やはり都市ガスというふうに進めていくと。
○佐伯委員 そちらに対する強いこだわりがあるわけではないのですが、プロパンガスは価格が店舗で払い切れるような金額ではないという金額になってしまうところがございます。今ですと、東京都でも東京ガスではない地域がございます。そういった地域に行きますと、価格はかなりはね上がってしまって、営業を強く圧迫するということがございますので、プロパンガスでも構わないのですが、東京ガスさんで入れるガスの料金と同程度になるような形になれば、どういったガスでも構わないのですが、現状ですと、プロパンとか東京ガスさん以外のガス会社は倍ぐらい燃料費がかかってしまうのです。
ただ、今、自由化で大手が入ってきておりますので、東京でも大阪ガスさんが使えるようになっていたりしておりますので、随時見直しはしているのですが、それも管が通っている店舗に限られておりますので、管が通っていないところでは当然プロパンガスを使わざるを得ないのですが、とにかく価格がお高いと。
○武井分科会長 お願いします。
○藤田委員 実は私、プロパンガス屋なのです。そしたら、プロパンは自由価格ですから、プロバンが高いということはございません。これはもう少し調べていただいたほうがいいかなと思っております。
○佐伯委員 そうですか。申しわけないです。東京都ではプロパンを使っている地域が大変限られているのですが、そういう地域のプロパンガスは正直まだお高いですね。
○藤田委員 運ぶのに都会は困っているのですけれども、田舎は都市ガスよりプロパンのほうが安いのですよ。
○佐伯委員 私どもは、東京ガスさんのような大手のところですと、一般の方が使っていらっしゃる料金の半額程度になりますが、プロパンガス屋さんと契約をしているお風呂屋さんですと、その割引がない状態なものですから。あと、東京ガス以外の小さなガス屋さんも割引がない。基本的に東京ガスほどの大きな割引がないというところが一番のネックになっているところで、都下のところではガス化が進んでいないのが現状でございます。
○藤田委員 プロパンは災害にも強いですので、価格も自由価格ですから、それは検討なさったらどうですかということです。
○佐伯委員 ありがとうございます。勉強させていただいて。
○武井分科会長 それでは、このあたりで浴場業の振興指針改正は終了とさせていただきまして、次に移りたいと思います。次は振興指針改正のうち、飲食店営業(めん類)について御審議をいただきたいと思います。同じく資料4と5を続けて説明していただいた上で、審議に入りたいと思います。
それでは、資料4について、事務局より御説明をお願いいたします。
○溝口課長補佐 引き続き事務局から説明させていただきます。
資料4「飲食店営業(めん類)に関する振興指針改正素案」でございます。1ページ目、第一、めん類飲食店営業を取り巻く状況としまして、2ページ目の2段落のところ、めん類飲食店営業の事業所数は2万9137営業所、売上高は、経済センサスからいただいている数字ですが、802,857百万円ということで、24年に比べまして従業員の数、事業所数自体は減少でございます。
その他、経営者に占める年齢の割合などについても書いておりまして、従業者数5人未満の零細事業所が59.3%。うち経営者の年齢が60歳から69歳の割合が35.2%となってございます。
経営上の問題としましては、「材料費の上昇」に関する内容と、「客数の減少」「設備の老朽化」「人手不足・求人難」などが書いてございます。
また、日本政策金融公庫からいただいたデータによりますと、めん類飲食店営業の経営上の問題につきまして、多い順に「仕入価格・人件費の上昇をなかなか価格転嫁にすることが難しい」「顧客数の減少」「従業員の確保難」などが挙げられてございます。
3ページ目に行きまして、営業者の考える今後の経営方針としましては、「食事メニューの工夫」「価格の見直し」「接客サービスの充実」などが書いてございます。また、新しい項目で「廃業」というのも、前回の記載にはなかったのですが、項目として挙げられてきております。
3ページ目、第二のところは省略をさせていただきます。
6ページ目の第三のところです。ここは飲食業という部類でして、食品表示に関する内容。5年前、産地偽装などの影響を受けたと思いますが、食品表示法に関する内容や不当表示防止法に関する内容を厚く書いてございます。
8ページ目に行きまして、衛生環境を取り巻く対応としましては、先ほどお話ししましたとおり、食品衛生法が改正され、業種や規模の大きさに拘わらずHACCPの義務化が導入されることに伴い、HACCPの考え方を取り入れた営業者による衛生管理や食中毒対応などにつきまして、確実な実施が求められるというところ。
食中毒衛生に関しては、一営業所だけではなかなか対応が難しいですので、連携を密にして対応することが求められている、新たに追記してございます。
10ページです。これは先ほどの振興指針と同じような書きぶりですが、高齢者、障害者及び子育て世帯としまして、高齢者、障害者、子育て世帯のいわゆる買い物弱者の問題に関することや、それに関する中長期的な経営基盤の強化。あとは、ニーズに応じた対応や、大手資本によるチェーン店との差別化などの観点も新たに書いてございます。また、バリアフリーに関する内容も追記させていただいたところです。(3)の省エネルギーへの対応は、同じく経営合理化や省エネの内容。
(4) 訪日・在日外国人への配慮としましては、インバウンドや在留外国人の増加もにらみまして、食文化が多様化している。あるいは日本食、和食がユネスコの世界文化遺産に登録された背景もあって注目を集めているというところで、それらに対応した外国語の充実、従業員のコミュニケーション能力の向上。先ほども話が挙がっておりますが、キャッシュレスへの対応の話。あとは、ハラルなどの宗教上の理由により、特定の食材を忌避する必要のあるケースの配慮などを書いてございます。
(5) につきましては、受動喫煙に関する内容でございます。
12ページの(6)は、食品のところですので、メニュー表示に関する内容を引き続き記載させていただきまして、その他、食物アレルギーに関する内容についても、そばアレルギーやそういうものもございますので、そういう内容も改めて対応が求められているというのを引き続き書かせていただいてございます。
3につきましては税制及び融資の支援措置としまして、12ページから13ページ目、公庫さんの融資による振興事業促進の制度などを詳しく紹介させていただいております。 13ページ、関係機関に関する役割としましては、適切な振興計画を策定すること。
14ページに行きまして、都道府県その他、指導センター等の役割としまして、研修会や融資相談などの機会を捉えて、加入者に対する情報提供や、活動の活発化に向けた取り組みを積極的に行うことが期待されるというのを書き加えております。
15ページ以降は、第四、めん類飲食店営業の必要な事項としまして、16ページ、HACCP に関する内容を改めてという形ですが、衛生水準の向上、あるいは日常生活の衛生管理というところで、HACCPに沿った衛生管理を改めて書いております。
18ページのオのところで、ほかの業種と同じですが、「店舗のコンセプト及び経営戦略の明確化」を新たに書いてございます。
19ページは、めん類に関する内容を個別に書いている感じでございます。⑩「専門店ならではの「『楽しさ』、『賑わい』の演出」や、「経営者自らによる消費者の要望の把握」、「経営手法・熟練技能の効率的な伝承」、「健康志向への対応」などを新たに書いてございます。
20ページ、店舗及び業務改善に関する事項としまして、エからキ。これは先ほどの浴場業と同じような書きぶりになります。省エネルギー対応に応じた冷蔵庫や空調設備、LED 照明、生産性向上のセミナーや制度の活用などを追記してございます。
22ページ、営業者に対する支援に関する事項としまして、23ページ「また」以降ですが、同じく関係機関が作成する好事例集の効果的な活用や、生産性向上を推進するためのセミナーの参加促進などを新たに書いてございます。
23ページ目の(1)のオ、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を推進するための手引書の作成なども新たに追記させていただいております。
その他、ICTの活用に関するサポートなどを書いてございます。 24ページに行きまして、オからサは食品関係というところで、商品の適正表示マニュアルやトレーサービリティー、生産者・生産地に関する情報収集や消費者指向の把握などを追記してございます。
(4)経営マネジメント合理化のところで、創業や事業承継における助言・相談の取り組みの推進や、経営課題に即した相談支援に関する事項を新たに追記してございます。
25ページに行きまして、従業員の福利の充実に関する内容を前回より詳しめに書かせていただいたところです。
(10)事業の承継及び後継者育成というところで、後継者育成の促進などを他の振興指針と同じく追記してございます。
26ページ(11)食品関連情報提供、行政施策の推進というところで、引き続き国内外における食の最新情報や行政施策の動向についての連携などを書いてございます。
26ページの2、行政施策及び政策金融における信頼性の向上ということで、手引や好事例集の活用や生産性向上セミナーの開催などを新たに書いてございます。
28ページに行きまして、第五、営業の振興に際し配慮すべき事項としまして、順番を少し調整させていただき、「食育、食の安全への関心の高まり及び健康志向への対応」というところをトップバッターに整理させていただいております。この中で、前段として健康づくりのための食育の推進に積極的に取り組むため、以下の内容、取り組みに努めることというのを新たに加えてございます。
2番目以降は他の振興指針と同じ内容でして、29ページ、少子高齢化への対応としまして、店舗のバリアフリー対策や、障害者への合理的配慮、子育て世帯への職場環境の整備などを書いてございます。
30ページから31ページにかけましては地域との共生というところで、地域の営業者と連携したサービスの提供や、事業承継の推進、地域、商店街活性化に資する組合活動の周知などを新たに追記してございます。
四のところは環境の保全ということで、昨今の食品ロスの削減などを念頭に入れた内容でございますが、(4)食品廃棄物等の発生の抑制及び減量や、食品リサイクルなどの内容も書いてございます。
32ページ、五のところは同じく受動喫煙に関する内容を書いてございます。また、アルコールを提供するというところでもございますので、飲酒運転の根絶、あるいはアルコール健康障害、依存症や、未成年飲酒なども含まれるかもしれませんが、アルコール健康障害を発生させるような不適切な飲酒の誘因防止などを書いてございます。
33ページ、これも浴場業と同じような書きぶりでございますが、災害対応と節電行動の徹底というところで、災害対応能力の維持向上や防災訓練、地域住民への支援、被災者支援などを書いてございます。
34ページ、帰宅困難者防止等への取り組みというのも新たに補充をしております。
34ページから35ページにかけましては最低賃金の取り組み、引き上げを踏まえた対応として、その遵守や制度の活用、最低賃金セミナー等の周知などを書いてございます。
37ページから38ページ、働き方・休み方改革に向けた対応としまして、同じく長時間労働の是正、年休の取得や公正な待遇、営業者向け講習会の機会を利用した制度周知などを書いてございます。
以上でございます。
○武井分科会長 ありがとうございました。
それでは、次に資料5につきまして、理事長の田中委員より御説明をお願いしたいと思います。
○田中委員 麺類組合の田中と申します。私は事務局ではなく、そば屋でございますので、現場の話を中心にさせていただきたいと思っております。
我々の業界の強みとしては、自己所有店舗が組合員の中に大変多いのです。自分の土地で、自分の建物で営業しているというお店が昔から多く、組合の歴史も非常に長い。どちらかというと堅実なイメージがあると自負しているところでございます。
一方、弱みでございますが、売り上げ減少により、店舗の営業収益では親子2世代がなかなか生活ができないで、子供がいても後継者になり得ない小規模な零細事業所が多く、経営者も高齢化してきているため、病気や逝去されたことを要因として廃業する事業所も大変ふえてきているというところでございます。
我々の業界を取り巻くよい環境でございますが、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて、訪日外国人の増加により、和食に対する需要が非常に高まっている。その中にそば・うどん屋も入っているというところが非常に期待できるところでございます。 今度は我々業界を取り巻く悪い環境でございますが、うどん類のセルフ型チェーン店、ファミリーレストランなど大手外食産業の飲食業界への参入により価格が崩壊され、さらに最低賃金が毎年のように上昇し、適切な利益確保が大変難しくなってきているのが現状ではないかと思っております。
小規模な零細事業所である我々生衛業界は、日本の伝統食文化である手間暇をかけて本物のそば・うどんを次の世代へ継承していく職人を育てていこうということが大変難しくなってきているなと感じております。
次に、振興指針に定められた事業の取組状況でございます。振興計画の作成に当たっての指導、振興計画の取組状況等の把握でございます。これは東京だけではなく、各県組合が振興計画の作成に当たりまして、振興指針を踏まえた連合会としてよい事業について提案をしているつもりでございます。
各組合への支援事業の取組状況でございます。我々の業界では機関誌「麺」という結構しっかりした冊子が毎月組合員に配布されているわけでございます。それにおきまして衛生に関する知識及び意識の向上に関する記事が多く掲載されております。標準営業約款の推進もしております。めん類飲食店賠償責任共済の加入促進、メニュー開発などの研究も呼びかけております。 組合員及び家族・従業員の福祉の充実として、総合医療補償制度、各種共済制度の加入促進も行っております。
少子高齢化社会等への対応といたしましては、子供から高齢者等に配慮したメニューの開発をしているところでございます。
食文化の継承及び食育として、そばの花観察運動、全国高校生そば打ち選手権大会を開催しております。全国の高校生そば打ち選手権大会は、2020年には10回目を迎えるわけでございます。初回は全国から4校の参加だったのですが、昨年は団体の部は北は北海道から南は鹿児島まで36校181名が参加して大変盛り上がりました。参加選手が高校を卒業の後、そのまま地元のめん類店に就職される方もいますし、中にはもっと高みを見たいということで、ヨーロッパで手打ちの修業をされている学生さんもいると聞いております。
取り組みが非常に難しい事業でございますが、営業収益の低迷や経営者の高齢に伴い、施設及び設備に対する投資が難しい状況となってきております。組合脱退者が多く、相互扶助の精神に基づく共済制度なども加入者が減少している傾向にあるところでございます。
めん類飲食店の実情と課題等についてお話をさせていただきます。めん類店を取り巻く状況の中で、平成28年は平成24年比で売上高が2000億円ほどふえているとありましたが、大手そば・うどんチェーン店の影響が非常に大きいところでございます。我々の生そば業界ではやはり低迷しているかなと考えられるところでございます。生衛組合員の店舗の売り上げは毎年減っている事業所が大半であり、食文化を守るためにも、歴史ある個店が営業を続けられるような施策をお願いしたいと考えております。
事業継承税制でございますが、国会で法人・個人ともに優遇制度が法律で決まったわけでございますが、これにつきましても手続が非常に難しい。もっと簡素化して、我々も利用できるような制度にしていただければありがたいなと考えております。
最低賃金の引き上げは、我々の経営を大変圧迫しております。また、社会保険適用拡大も検討されているなど、いわゆる人件費、社会保険料負担増により廃業を余儀なくされる店舗は少なくありません。生産性向上の取り組みだけではカバーできない。補助金や税制により支援をいただきたいと考えております。
連合会が関係官庁からの通達や情報提供を受けた場合に、会員組合、これは都道府県組合のことですが、機関誌並びにホームページ等を通じて情報の周知を図ることが可能であります。一方で、非組合員の情報入手には限りがあり、かつ情報入手までの時間を要するケースが大半であります。したがって、麺類組合に入っていない非組合員に対しては、保健所と衛生関係行政機関がより一層積極的に組合加入を働きかける必要があるのではないかと思っております。
また、このような状況から、非組合員には年1回以上の講習会受講を義務づけ、営業許可証の年数の短縮をしていただき、公衆衛生向上のためにも必要な要件だと思っております。我々は自主衛生管理という形、組合員同士でお互いの店を監視し合うという制度をとっているところでございますので、その辺も考えていただければありがたいなと思っております。
最近、個人店の商店街にかわり、総合スーパーやショッピングセンターへ車で買い物に来ることが当たり前のようになっている影響で、個人店や商店街の衰退により一層拍手がかかってきている。要は、お客様が車で大型スーパー等に入ってしまうので、そこの通路に当たる路面店、商店街の店が今、非常に苦しんでいるというのも現状であります。
めん類店の出前が当たり前だった時代はもう既になくなってしまいました。現在はデリバリーがふえ、出前が減少しており、出前のための人手の確保が大変難しくなり、出前をやめて店売りにする店舗が多くなってきているところでございます。出前店が近所になくなり、利用したくてもできない。デリバリーの商品は高齢者には頼みづらく、出前をしてくれる店を紹介してほしいという問い合わせも組合のほうには来ているようでございます。
我々の出前というのは、いわゆる町内(近所)に出前をするわけでございますので、安心・安全な食べ物を届けるだけではなく、出前先の老人の方々の安否確認や、地域のパトロールにも貢献しているのではないかと考えております。実際東京都の幾つかの地域ではバイクに「出前パトロール」と表記させていただいております。外出が困難な高齢者の方に行政側が出前補助券というものを取り扱っていただき、出前サービスが継続され、暮らしやすい地域をつくるのが必要だと我々は考えているところでございます。
また、付加価値による生産性向上を図るために、製めん技術の向上と、いわゆる二八そばを商標登録してブランド化に今、取り組んでいるところでございます。経営の安定と向上に結びつけたい、これが我々の考え方でございます。
全麺生連、全国のおそば屋さんの組合では、「日本の『麺文化』音声ガイド」というものをつくりまして、その中で箸の使い方、めん類店での楽しみ方、おそばの食べ方など、音声ガイドをさせていただいております。これは日本語、英語、韓国語、中国語が2つ入っていまして、それによる音声ガイドと動画や写真で紹介しているのが現状でございます。
以上でございます。
○武井分科会長 どうもありがとうございました。
それでは今、御説明いただきました資料4並びに資料5について、御意見、御質問等よろしくお願いいたします。お願いいたします。
○藤田委員 済みません。私、勉強不足かもわかりませんけれども、めん類と言ったら、うどんとそばだけですか。中華めんとか、冷や麦とかそうめんとか、そういうのはこの組合にはないのですか。
○田中委員 入っております。日本そば店でラーメンとか冷やし中華を販売している店もあるのですね。そういう方々もうちの麺類組合に入っておりますし、きしめんとか、そうめん、冷や麦も入っております。当然カツ丼とか天丼なども入っているのですが、地方に行きますと、めん類というか、生活衛生のくくりになってきますので、焼鳥屋さんとかそういうところも組合員に入っている都道府県もあります。むしろラーメンが中心になっているというところもございます。東京は、そば・うどんが主流です。
○藤田委員 もう一点。私は徳島県なのですが、香川県はうどん県ということで、すごく多いのですけれども、香川県などは組合に入っている人はどうなのですか。
○田中委員 全国の組合の中で香川県はまだ入会していただいていないという状況なのです。(香川県に麺類の生衛組合が設立されていない。)
○藤田委員 十歩歩いたらうどん屋ですよ。
○田中委員 我々は現状を十分承知して、入っていただけないかなという気持ちはあるのですが、麺類組合がまだ周知されていない部分も恐らく香川県のあたりではあるのかなと考えています。
○藤田委員 しかも衛生面が非常に問題になるのかなとは思っております。
○田中委員 入っていただければありがたいことなのですけれども。
○武井分科会長 よろしゅうございますか。
ほかにいかがでしょうか。お願いいたします。
○若月委員 では、この組合さんにはうどんの大手のチェーンは入っていらっしゃらないのですか。
○藤田委員 入っていません。
○若月委員 そうすると、全体ではこの組合さんには、どのくらいの方が入っていらっしゃるのですか。
○田中委員 全体の数が把握できないので。今、東京では1,200~1,250店舗ぐらいの組合員でやっております。全国では5,000か6,000だと思います。大手のチェーン店、セントラルキッチンを持ってやっているようなめん類店は営業形態が違いますので、我々の組合には入っておりません。
○若月委員 そういうことなのですね。
東京は、めん類と言うとおそばという感じですが、東京ではおそば屋さんが多いのですか。
○田中委員 圧倒的に多いですね。
○若月委員 わかりました。
○武井分科会長 遠藤先生、どうぞ。
○遠藤会長代理 今回の指針で前回と大きく違うのは、HACCPの記述が入ったわけで、これは食品衛生法の改正を受けての話ですが、HACCPというのはなかなか大変だなと思うのですけれども、実際組合さんとしてどういう取り組みをなさろうとしているか、あるいはこういうところはそうは言われても難しいという実情をお聞かせ願えればと思います。
○田中委員 HACCPは、我々おそば屋だけで作成し、実行していくのは非常に難しいのですが、少なくとも衛生管理というのは最重要ポイントなのです。その中で、自分たちが一番できる部分のところからつくっていこうということで、HACCPのいわゆる手引書、しおりを我々の業界ではつくって、それを周知するように今、進めているところでございます。
○武井分科会長 お願いいたします。
○佐伯委員 浴場の佐伯です。
私、本当におそば屋さんが大好きなのですけれども、昔はおそば屋さんで会議をした後おそばをいただくということをよくしたのですが、今でもそういう使われ方はしているものですか。
○田中委員 ありがたいことにそういうお店もふえております。今はどちらかというと居酒屋さんも大変お忙しいのでしょうけれども、居酒屋さんから我々のような個人店にお客様が流れてきてくださるというのが結構多いです。ですから、こういう会議が終わって、仲間内でおそば屋さんに入って一杯飲むと。また2~3人で一杯飲むと。我々はそういう使われ方をしていただいているというところでございます。
○佐伯委員 私どもは、30分とかで済んでしまうような簡単な会議にわざわざ会議室を借りて、終わってからおそば屋さんに移動するということをしたりするのですが、おそば屋さんでちょっとお時間、貸していただけるものだという常識になったら、最初からおそば屋さんに行って会議をさせていただくということができるので、ぜひそういうふうにしていただきたいなと。
○田中委員 ありがとうございます。そういう使われ方をされているお客様はいらっしゃいます。
○佐伯委員 ありがとうございます。
私が子供のころはおそば屋さんの出前が来るというのが本当にあったのですが、最近出前をやめてしまっているお店も多くなったのですが、最近出前専門の業者さんがいらっしゃいますが、ああいうところと共同の事業というのはどのようにお考えですか。
○田中委員 いわゆる出前館。名前を出してはいけないのですかね。そういうところだと思うのですけれども、まず我々は汁物が主体になってきますので、あの業態の出前云々というのは難しいと思います。
どうしてものびますから、お客様にベストの状態とは言えないけれども、ベターな状態でおいしく上がっていただくというのが我々の戦略でございますので、もう一つ間に業者を入れることによって、ただ持っていけばいいよというやり方をされてしまうと逆にイメージダウンになってしまうので、我々としては現状では余り考えておりません。当然中には使われている方もいらっしゃるとは思いますけれども、業界としては余り考えていません。
○佐伯委員 ありがとうございます。
○田中委員 それよりも、先ほどお話しさせていただいたように、地域のパトロールという点で出前。例えばお年寄りはたくさん食べられないわけですね。そうすると、お客様のほうはそば屋にもりそば1枚持ってきてと言うのは非常に頼みづらいと思うのです。私は千代田区なのですが、千代田区の区役所のほうから出前券みたいなものを、50円でも100 円でもいいと思うのです。気持ちを出していただければ、我々がひとり住まいのお年寄りのところに行く。例えば1週間に1回ずつ来ていたところが、2週間、3週間途切れたら、あれと思うじゃないですか。そのときに役所のほうに連絡するようにすれば、いろいろな事故が未然に防げるのではないのかなというような考え方も持っております。
○武井分科会長 ほかにいかがでしょうか。お願いいたします。
○櫻田委員 サービス連合の櫻田でございます。
今、出前のお話がありましたが、実態として地域とのつながりみたいなものは、大変重要なことだと思っています。出前を扱う店舗は、どのくらい減少しているのでしょうか。
把握していらっしゃるものがあればお伺いしたいなと思いました。
○田中委員 数字としての把握はないのですが、今から15年、20年ぐらい前は、東京のそば屋さんの8~9割は出前をしていたと思うのです。ところが、今では2割かそこら辺だと思いますね。この原因は何かというと、やはり人手不足なのです。先ほど申しましたように、1軒のそば屋さんでは2世代が生活できないのですね。昔の場合は、例えば旦那さんがおそばをつくる。せがれさんなり何なりが配達すると。ある程度年が行くと、せがれさんに店を任せながら、旦那さんが近所を回る。そのようなやり方で親子でうまく連携をして出前活動ができたのですけれども、今はせがれさんが入っていないわけですから、自分が表に出てしまったら調理場は誰もいなくなってしまう。そういう状況になってしまうので、今は本当に減っていると思います。
○武井分科会長 いかがでしょうか。藤田さん、お願いいたします。
○藤田委員 私は飛行機で来るのですが、空港にあるうどん屋さん、そば屋さん、すごくはやっているのですよ。それは組合に入っていないですか。
○田中委員 入っているところもあるかもしれませんよ。老舗さんがそこへ出ていって入っていますね。空港ですと北海道あたりだったら入っているのではないかな。組合員さんがそこへ出店しているというところ。でも、非常に少ないと思いますよ。
○藤田委員 それから、山奥に祖谷そばとかそんなのがあるのですけれども、そういうところも入っていない。振興指針とかそんなことをする場合に、組合さんだけに頼るのではなくて、みんなに組合に入ってもらって衛生面のこととか、そういうことをもう少し進めていかなければいかぬのではないかなと。山奥でおばあちゃんがそばを打っておったら、衛生面は何にも考えていないということにもなっていると思うのですが、そういうところにちょっとスポットライトを当ててほしいなと。
香川県などでもおばあちゃんが1人でこんなふうにやって、すごくおいしいと言って、並んで食べに行きますけれども、それの衛生面はどうなっているのかなと思います。だから、どういうふうにしたら組合に入っていただいて、衛生面でもちゃんとしたこと、市場ができるような方法がないかなと思います。
○田中委員 そうですね。全く同感です。
○武井分科会長 いかがでしょうか。
それでは、このあたりで飲食店営業(めん類)の振興指針改正は終了とさせていただきます。 きょうの議論を通じまして特に御発言があれば、ぜひお願いしたいのですが、いかがでしょうか。よろしゅうございますか。
ありがとうございました。
おおよそ時間となっておりますので、閉会に向けて事務局から何か伝言等あれば、よろしくお願いいたします。
○溝口課長補佐 本日は活発な御議論をいただきまして、ありがとうございました。本日いただきました浴場業とめん類に関する振興指針の素案につきまして、追加でお気づきの点や御意見、また、前回の興行場と旅館業もあわせて御意見がございましたら、追ってメール等で事務局まで御連絡いただければと思います。
また、本日の議事録につきましては、原稿ができ次第各委員に送付、確認いただいた上で、厚生労働省ホームページに公開させていただきたいと考えておりますので、あわせてよろしくお願いいたします。
次回の開催予定ですが、年明け1月8日15時から、今回の2業種と前回審議した2業種、合わせて4業種の振興指針の改正案につきまして、各委員の先生の御意見を踏まえて修正した内容を御審議いただく予定でございます。会場についての詳細は追って御連絡申し上げます。
資料を直前にお送りすることが多く申し訳ありませんでしたがも、4業種の審議をいただきました。限られた時間での確認のお願いでもありましたので、お帰りになった後で言い忘れたということがあれば、1月8日に修正ができればいいなと思っておりますので、メールでも何でも結構ですので御意見をいただければと思います。
以上でございます。
○武井分科会長 どうもありがとうございました。
次は年明けになりますので、よろしくお願い申し上げます。
以上をもちまして、第34回「厚生科学審議会生活衛生適正化分科会」を終了したいと思います。本日はお忙しいところ、皆様、どうもありがとうございました。

議事録(PDF)

議事録 第34回生活衛生適正化分科会
議事録本文 第34回生活衛生適正化分科会
 

資料(PDF)

議事次第 第34回生活衛生適正化分科会
委員名簿 第34回生活衛生適正化分科会
配付資料一覧 第34回生活衛生適正化分科会
資料1 2019年度生活衛生関係営業振興指針の改正について 第34回生活衛生適正化分科会
資料2 浴場業の振興指針 新旧対照表(素案)第34回生活衛生適正化分科会
資料3 浴場業の現況について 第34回生活衛生適正化分科会
資料4 飲食店営業(めん類)の振興指針 新旧対照表(素案)第34回生活衛生適正化分科会
資料5 飲食店営業(めん類)の現況について 第34回生活衛生適正化分科会
参考資料1 関係法令 第34回生活衛生適正化分科会
参考資料2 振興指針改正に係る諮問書及び付議書 第34回生活衛生適正化分科会
参考資料3 浴場業の実態と経営改善の方策(抄)第34回生活衛生適正化分科会
参考資料4 飲食店営業(めん類)の実態と経営改善の方策(抄)第34回生活衛生適正化分科会

開催案内 第34回生活衛生適正化分科会